カレンダリウム

 みなさん、今日は何月何日で何曜日か答えられますか?
 私は答えられません。それはなぜでしょう。知りません。

 フリーランスのクリエイターにはありがちなことだろうと思うけれど、私にはあまり曜日感覚がない。祭日なんて、全く知らない。いや、例えば「勤労感謝の日」が11月23日だということは知っているのだ。しかし、11月22日の時点で「明日は祭日」だということを気付かない。ネットや人からの情報で「明日休み」だと知らされる。

 徹夜した翌日は普通に寝たり、そんでまた徹夜したり……なんていう生活だから「一日の節目」が分からなくなるのだろうと思っている。
 カレンダーなんて、あってもあんまり意味がない。だって、カレンダーを見ても今日がどの位置だか分からないのだから。その日が何日か知りたいときは、新聞や携帯の表示などで確認。もちろん、締め切りや打ち合わせの日などはきちんと把握している。そこだけは落としてはならないし、落としたこともない。
 今年が2010年だということは分かっているけど、平成何年なのか、本当に本当に分からない。聞かされてもすぐ忘れる。ただのアホだろうか。

 カレンダーは、「カレンダリウム」という金銭出納帳を意味する言葉が語源。もっとさかのぼると「カレンダリウム」は「カレンダエ」という毎月一日を意味する言葉から発生したという。古代ローマ人にとって、この日が金銭貸借の締め日だったらしい。カレンダーは元々、お金の出し入れを記入しておく出納帳のような・メモのようなものだったのだ。

 それを踏まえると、うんうん。
 お金なんぞに興味がなく、高尚で、世俗にまみれていないワタクシだからこそ、カレンダーめくりを忘れるのも納得できる。ふっ。
 日付感覚も曜日感覚もないことのウマい理由が見つかった。語源をめぐる旅は、時折こうしていい感じの言い訳が見つかることがある。

 みなさん、今日は何月何日で何曜日か答えられますか?
 私は答えられません。それはなぜでしょう。
 カレンダーは金の出納を記すものであり、お金に興味のない私はカレンダーにも興味が湧かないのです。
 うむ、これでよし!(了)