肉壁 (製作:2000年 420×295 カラーインク・コンテ・色鉛筆) 肉壁このあしのうらにふれているのがみずにくるまれたほしのきずついただいちとよばれるぶぶんでこのはなのあなをとおってたいないにとりこんでいるのがよごれたくうきちゅうのさんそで でも この複雑な形の耳には超音波は聞こえずこの視覚器には認識できるものしか見えず無を意識できないこの意識は自分を客観視できる筈などなく 末世ゆえ真理を語る哲学者の死滅考えることを忘れた倫理教師の氾濫無価値の新刊は売文評論家と結託ショウペンハウエルよあなたの血脈は途絶えたか うふふ ふふ 宇宙は成住壊空を繰り返すそうしてずっと共に存在してきた真実をこの細胞が遺伝子が鮮やかに明らかに記憶している刻まれているその意味においてのみ人類はすばらしい…のだろうか 無始無終と説いた東洋の思想宇宙が一個の生命体で生物が意志だとしたら私はそろそろ山を下りねばならない ああそれにしても 空はこんなに青いのに 私はこんなに肉体だ