ウェルニッケの言語中枢

 女性は生まれながらにして、モノカキになる才能を持っている。
 と、いきなり冒頭から、なんじゃらほい断言。

 ウェルニッケの言語中枢をご存知だろうか。左脳にある、言語をつかさどる部分のことだ。この中枢の神経密度は、男性より女性のほうが高いらしい。
 神経密度のせいだろうか、脳に損傷を受け、その部分が傷つき失語症などになったとしても、女性のほうが断然回復力も高いというのだ。

「そんなこと、別にモノカキと関係ないじゃん」なんて言うのはまだ早い。女性は左脳のウェルニッケちゃんの他、言語をつかさどる中枢が、にゃんと! 右脳にもあるのだ。

 短歌や詩など、リズムのよい言語――韻を踏む言葉を聞いたとき、男性はウェルニッケのみ活動が活発になるのだが、女性は対象位置にある右脳のその部分も同じくらいに活発に反応するらしい。

 つまり「二倍、二倍!(BY:高見山大五郎)」なわけだ。

 二倍反応するということは、二倍対応できる・生み出せる、はず。生まれながらにして、その能力を持っているはず、なのだ。
 可愛い可愛いウェルニッケちゃん1号(左脳)とウェルニッケちゃん2号(右脳)なのだ。言葉の国からやってきたウェルニッケシスターズだね。

 余談だが、ビタミンB1が不足するとウェルニッケ脳症という病気になる。その後、コルサコフ症候群という記憶喪失のような症状が残ることがあるそうなので、書く人も書かない人も、男も女もビタミンB1はきっちり採りましょ!(了)