プリン味のゼリー

 スーパーでみかけたことはあったものの、大袋に入っていたため、味がハズレだったときのことを考えると買う気になれなかった「プリン味のゼリー」。
 しかし先日、お菓子の詰め合わせをもらう機会があり、その中に夢にまで見た『プリン味のゼリー』が!

「うおお。やはり私のところに来たかったのね」
 とひとりごちる。


 さて、お味のほうは……。 ずばり、プリン味のゼリー! (「そのまんまやん!」と突っ込み希望)
 食感はゼリー。でも味はまさしくプリン。「ゼリン」とでも呼べばいいのだろうか。
プリン味ゼリー

注意書きに注目。
「写真は商品盛り付け例です」これをどう捉えたらいいのだろう?

 きっと今、「じゃ、ゼリー味のプリンは?」などと思われたことだろう。 お見通しだ。

 ゼリー味のプリンはありえない。寒天味も又しかり。これらは色や味がつけられる前には「味」と呼ばれることはない。決して無味なわけではないのに。ゼリー味、寒天味は存在しないのだ。
 それをい踏まえると、氷みつの「みぞれ」は異色だ。無色なのに、ちゃんと味の名がついている。「異色」という言葉が驚くほど相応しい。

 ふむ。みぞれの個性は、コアなファンがいる異色の存在。しかし忘れられがちで、人々の間で話題になることもない。
 一方、プリン味のゼリーはファンキーなヤツ。流行に乗って支持されるやもしれぬが、生き残っていくとは思えない。しかし、その風変りな性質は人々の記憶に深く残るだろう。

 どちらがいいとも悪いとも言う必要はない。
言う必要はないが……自分はどちら的存在でありたいのだろうか、などと考えさせられる菓子だった。(了)