油断ならない男

 2005年~2007年頃に他社でブログを開設していた。そのときの記事のひとつに、当時開催されていた「愛・地球博」のキャラクターについて書いたものがある。
 以下、当時の記事のコピーペーストである。まずはとりあえず、読んでいただけないだろうかか。

――コピペここから――
 愛知で開催中の「愛地球博」。キャラクターのキッコロとモリゾーはとても人気があるようで、ここ神奈川でも、キャラクター入りのゼリーやらカステラやら色んなものを何回も目にした。
 この地でそんな土産物的なものを買う人がいるんだろうかと思ってしまうが買う人がいるから売っているのだろう。摩訶不思議。
油断ならない男
  ところで、このキッコロとモリゾー。名前はもちろん木と森からきているのであろう。「木ッコロ」と「森ゾー」という感じ。
 しかし、まずいよ、まずいっす。「林」が抜けてるではないか。林が怒るよ。木からいきなり森にはならんってね。

油断ならない男1

 という訳で、「林」キャラ。名前はもちろん「ハヤッサン」。音として、あなたの知人の「林さん」を呼ぶときの感じ。

油断ならない男2
 で、三人並ぶとこんな感じ。めでたしめでたし。
――コピペここまで――

 なんてことのない小ネタだ。で、先日偶然こんなページを発見してしまった。
@PEDIA内 ハヤシゾーのまとめページ

 このまとめページに書かれている一文。
“オリジナルのハヤシゾーとして、ながたみかこ氏の「ハヤシゾー」が有名である”
 これは明らかに私のことであろう。「ながたみかこ」で検索してみても、延々と私関連のページだけが出てくる。他に「オリジナルのハヤシゾー」を書いた「ながたみかこ」がいるとは考えにくい。

 私は「ハヤシゾー」と名づけたのではなく、「ハヤッサン」と名づけた。一応モノカキだから、安易に「ハヤシゾー」などとつけたりはしない。既存のキャラが「モリゾー」「キッコロ」という名前なのに、そこに「ハヤシゾー」としてしまえば「ゾー」が二人になってなにやらバランスが悪いからだ。
 もし、子どもキャラが「キゾー」という名だったならば、「キゾー」「ハヤシゾー」「モリゾー」となり「三代ゾー」だから問題ないのだが。

 呼び名はさておき、私はブログの小ネタ程度の感覚でこの記事を書いた。前のブログは「有名人ブログリンク集」みたいなサイトにちょいちょいと掲載されていたようだが、私は有名人と呼べるほどの者ではない。そして「ハヤッサン」は私より更に無名のはずだ。

 ”ながたみかこ氏の「ハヤシゾー」が有名である“って。
 いつどこで、有名になったのだろう。ハヤッサン、教えておくれ。私に隠れて、ひとりでこっそり有名になっていたの?

 いくら問いかけてみてもハヤッサンは答えてくれない。ハヤッサンは寡黙な男なのだ(多分)。しかし、毛深くて寡黙なだけの男ではなかった。私の知らないところで一人歩きしてしまう不思議な男だった。
 ハヤッサン――まったくもって油断ならない男だ。(了)