元気のいいモノたち

 私は常に前向きやらポジティブやら元気いっぱいの人が苦手だ。
 元気の良すぎる人は、踏み込んで欲しくない部分にまで踏み込んでくることが多いし、とにかく身体から発しているものが賑やかだ。私は静かな場所が好きなのだ。やたらと元気なモノは見ているだけで疲れる。

 元気いっぱいの人、元気いっぱいの曲、元気いっぱいの文。元気は色々なものに現れる。

 一昔前は、一般の方の文を読む機会などなかったので、元気いっぱいの文というものにはそうそう出会わなかったが、今はブログ等でにぎやかな文に出会うことがある。

 まず、感嘆符の多用!!
 そこまで力こめて言わなくても!!
 そもそも読んでみても、感嘆などしていないし!!
 
 それから音符の多用♪
 そんなに嬉しいこと書いてないと思うんだけどね♪
 どういうときに使ってるのかよくわかんない♪

 ああ、こうやって書いているだけでも疲れた。でも、元気があるのは悪いことではない。むしろいいことだ。好意的に考えるならば、そういった人の方が逆に深い闇の部分を抱えているのかもしれない……とも思う。精いっぱい元気な振りをしている努力家なのだ。きっとそうだ。

歌では『うさぎのダンス』が疲れるなあ。
―――――
『うさぎのダンス』 詞:野口雨情 曲:中山晋平

ソソラ ソラ ソラ うさぎのダンス
タラッタ ラッタ ラッタ  ラッタ ラッタ ラッタラ
あしで 蹴り 蹴り ピョッコ ピョッコ 踊る
耳にはちまき ラッタ ラッタ ラッタラ
―――――
 いやもう、踊らなくていいから。ちょっと座ってよ。
 この曲、1番も2番も踊りっぱなしなのである。
元気のいいモノたち1
 好意的に考えると……そうだな、踊りの発表会でもあるのかな。
 「ピョッコ ピョッコ」という擬態語からは多少疲れも感じさせる。結構体力を消耗しているのではないだろうか。それでも「耳にはちまき」まで巻いて、頑張っているのだ。そしてこのうさぎも陽気そうに見えて、心の底には深い闇を抱えているのかもしれない。きっとそうだ。

 先日、見ているだけで疲れる看板と出会ってしまった。
元気のいいモノたち2
「愛犬のふんは飼い主の手で!」
 「持ち帰ろう!」

 感嘆符の問題はさておき、私を疲れさせるのはこの飼い主のテンションの高さだ。
 糞袋を高く掲げ、笑っている。この表情からすると、声をあげての笑いだと思われる。糞袋をふりまわしながら「あはは!」と笑い、犬と共に走っているのだ。いくらなんでも浮かれすぎではなかろうか。

 いやいや、好意的に考えよう。
 この犬は何日も排泄ができず苦しんでいて、ようやく出た。このまま脱糞できなければ、命にかかわるとすら言われていた。そういった背景があったのだ。きっとそうだ。深く長い闇から抜け出せた喜びに違いない。あきらめずに良く頑張ったね。

 そうだ! そうに違いない!!
 そうだよね♪ るんるんっ♪ (了)
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