こんにちは。ながたみかこです。
 気付けば草木萌動の候、啓蟄も目の前ですね。いかがお過ごしでしょうか。
 わたくしも草木の芽吹きに時期をあわせて、新刊が発売となりました。普段の出版物とは毛色が違います。児童書ではありませんよ。

『裏切りの日本昔話』
著:ながたみかこ 絵:芦野公平 発行:笠間書院

(帯文より)
浦島太郎は復讐ストーリー? 舌切り雀は策略満載の昼ドラ?

おなじみの日本昔話をナナメ上から読んでみたら、危険で、ヤバくて、残酷で、不都合で、ぶっとんでいた!
心がざわめく、日本昔話の裏の裏

 日本の多くの人は子どもの頃、絵本やアニメで「日本昔話」に触れたことがあるか思います。「浦島太郎」の乙姫は、恩返しのために浦島を竜宮城へ招いて接待し帰還時に玉手箱を渡しますが、報恩だというのに何故不幸になる箱を持たせたのでしょうか。開けてはならないのなら、最初から渡さなければよいのに。
 ……と、こんなことを考えたことはありませんか。
 本書ではこのような疑問などについて、様々な文献を紐解きつつ考察を広げました。 

 取り上げた昔話とテーマは以下の通りです。
第1章 浦島太郎 ―乙姫の愛と復讐
第2章 たにし長者 ―入れ替わった男
第3章 こぶとり爺さん ―異端の象徴としての「こぶ」
第4章 手なし娘 ―継母の執念とその背景
第5章 花咲か爺さん ―花は本当に咲いたのか?
第6章 舌切り雀 ―爺と雀の二時間サスペンス
第7章 鶴の恩返し ―家庭を壊す底なしの金銭欲
第8章 猿の婿入り ―異類婚姻譚に待ち受ける悲劇
第9章 かちかち山 ―残酷描写・言葉遊び満載のエンタメ
第10章 食わず女房 ―普通の暮らしにあこがれた山姥
第11章 耳なし芳一 ―天才アーティストをめぐる嫉妬と愛情
第12章 桃太郎 ―次世代ヒーローの条件


 各昔話の考察のあとには、おまけとして心理テストや創作の物語、悩み相談室(登場人物が回答します!)などのページも展開しています。

 
 ページをめくるたびに、日本昔話の新しい横顔が次々と見えてくるかもしれません。道徳や躾はさておいて、まずは大人と呼ばれる年齢の方々に楽しんでいただければ幸いに存じます。

 3月10日発売となっていますが、書店にはもう並んでいる頃です。ネットショップも購入可能となっています。どうぞよろしくお願いいたします。(2021.03.02)ながたみかこ

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