石のパワー

 

 石が好きだ。
 ……なんて言うと、宝石の類かパワーストーンなどを想像するかもしれないけれど、私が惹かれるのはただの石。その辺に転がっていたり、川原に落ちているような石が好きなのだ。

 なぜ石が好きなのか? 
 それを一言で表すとしたら「石は地球のかけら
だから」だ。庭に落ちている石だって、地球が創成したとされる四十億年前には地球の内部にいたのかもしれない。地球の「骨」的な存在だと思うのだ。

 また、大きな岩が削られ砕かれて、小さな石になるまでにはどれだけの
月日がかかることか。考えるだけで気が遠くなる。 石は、長遠な時を生きる間で一体何を見て何を感じてきたのか。
 この地球でずっと存在し続けてきた石たち。何もパワーストーンでなくても、石はパワーを持っていて当然なのだ。

 海や川や山へ行くと、必ず石を拾って帰ってくる。本当はいけない行為なのかもしれないが、一個二個の話なのでここはどうか大目に見ていただきたい。
石のパワー1
 持っている石の中で一番目を引くのが、角の取れた丸い石。とある海辺で、ほぼ球体の石を見つけたときは、思わず「うおお」と口走ってしまった。割と大きかったため、持ち帰るのが重くて仕方がなかった。

石のパワー2 石のパワー3  
 赤い石はさほど珍しくないが、緑色の石とは出会いにくい。緑色のもの
はなぜか小さいものが多い。緑の石は柔らかく砕けやすい、ということだろうか。

 線がピシッと横断している模様のもの、うずら卵柄、地層模様。それぞれみんな個性があって面白い。眺めていると、石の呼吸が聞こえてくるようだ。
石のパワー4  

 いつの間にかどっさりとたまってしまった石たち。どれも甲乙つけがたいのだけれど、一番しっくりくるものをお守り代わりにしている私。
 効果のほどは……どうなんだろう。ここ何年かいいことばかり続いているから、効果があるんじゃないのかなあ。少なくとも、量産されているようなパワーストーンより、出会ってピンと来た石の方が力があると思っている。(了)